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8/2  上高地・乗鞍懐古旅行 8/2~3 上高地・安房峠編 [国内旅行]

 

今回の旅行は7月上旬の割と早い時期に友人Mより旅行の誘いがあって行くことにしていた。
お互い住込みで働いていたアルバイト先の現在の状況や、通い慣れた懐かしの場所の変化を知りたくて、夏のベストシーズンである8月に行くことになっていた。ちょっと混雑が心配だが土日にしか休めない身分なので、その部分では諦めているが…。
同じくアルバイトで知り合った仲間数名に友人Mが連絡を取ったようだがなかなか都合が合わず、名古屋から1名の参加希望があって計3名での旅行になった。宿泊も勝手知った乗鞍高原地区の素泊まり出来る安いペンションを捜して友人Mに取ってもらい、現地までの往復も友人Mに車を出してもらって、将におんぶに抱っこの状態での旅行になった…。
希少な車両に乗れた(拡大します)朝の磯子始発横浜線は2本のみ(拡大します)
       磯子まで利用した希少な209系500台と乗り換えた横浜線205系車両

旅行当日の朝は7:30起床。休みの朝にしては早めの起床だが、土日を目一杯使って出かけるには遅すぎる起床かもしれない。身仕度をして自宅を8:05に出発、時間も多少あったので地元駅の立ち食いそばで一杯啜ってからJR線に乗車、途中の磯子で8:38一旦下車して磯子始発の8:41発八王子行き横浜線に乗り換える。今回もう1名、名古屋から参加の友人Fが関内から乗るとメールを受け、関内に8:51着いた時に知った顔が乗り込んできた。何でも前夜に行われた横浜スタジアムでのオールスター戦を観戦しに来て、近くのホテルに泊まっていたとか。そのまま松本方面に旅行しつつ帰る計画らしい…。
一人で乗っている通勤路線だと黙って我慢の乗車で時間ばかり気になるが、2人で久しぶりに話をしながら乗っていると時間が経つのを忘れてしまう。横浜から大勢の乗客が乗ってきて車内が賑やかになって、その大半が新横浜で降りれば再び車内は空いてきた。その間も今日までの出来事などを2人で話しているうちに降りるはずの成瀬に9:26到着し、ドアが開いても座って話していて慌てて下車した
この成瀬駅で友人Mと合流した。ここから程近い場所に実家があり、車を用意して待っていてくれた。おりしも成瀬駅は今夜から駅前ロータリーを使ってお祭りらしく、本来入るべき路線バスも会場設営のため広場が封鎖されていてロータリーの外に追い出されていた…。

中央道の八ヶ岳が拝める場所は見えず(12:19)

一応今回参加予定の3人が揃って成瀬駅北口を9:33に出発した。自分としても久しぶりのマイカー旅行で、最近は公共交通機関ばかり使っていたから多少新鮮さはあるが、敢えて混んだ週末に出かけるのは、もはや土日が休みの我らにとって仕方ないことだ…。
この先中央道に入るため、まずは国道16号線を目指す。ここは週末で無くても毎日渋滞しているが、ここは避けて通れない道なのでしばし混んだ中をノロノロと進む。相模大野付近の谷口陸橋を越えて鵜野森付近まで渋滞したあとはしばし流れに乗りつつ橋本五差路を10:25に通過。ここから国道16号線を外れ西の津久井湖方面へ走る。
中央道が相模湖I.C.手前まで渋滞しているとの情報で、そこまでは高速代を安くする意味も含めて一般道で行くことにした。一部、津久井湖から三ケ木まで渋滞していて一瞬、相模湖I.C.まで渋滞しているのかと焦ったが、その後は順調に流れに乗って走り、成瀬駅から2時間かかって相模湖I.C.を11:31通過して無事に中央道へと進んだ。
ここまで来れば中央道も交通量が多いながらもスイスイと流れていて快調なドライブとなる。過去何百回とJRや高速バスで通った中央本線沿線を眺めつつ昔の思い出話をしながら中央道を大月・笹子・勝沼・甲府盆地と通過した…。

             休憩した八ヶ岳P.A.と食べた特大ソフトクリーム

天気も30℃を超す天気で、一部遠くの山は雲に隠れて見えないが眺めはいつもながら最高だ。相模湖I.C.から1時間走った八ヶ岳P.A.に12:32到着、ここで休憩をした。
友人Mがここで食べてみたいソフトクリームがあるとご指定の休憩だが、自分もかつて元同僚K松本に行った際に立ち寄っているが全く見ていなかった。トイレに行って少し混んだ売店にて待望のソフトクリームを購入。大きさが3種類あってもちろん一番大きなサイズを3つ買う。普通の2倍以上の重量があってお値段は¥300。味も良くてお値打ちの買い物だ。
20分の滞在で八ヶ岳P.A.を12:52出発、再び快調に走って諏訪湖西岸付近を通過して岡谷J.C.T.より長野道に転進、塩嶺トンネルを抜けて松本平に抜ければかつて皆と楽しくアルバイト生活をした懐かしの地だ…。
この時は他より安かったガソリン
      松本I.C.を降りる(13:25)           下新地区の激安スタンドで給油

塩尻を過ぎて目的地の松本I.C.を13:25通過、成瀬をスタートして約4時間、相模湖からも2時間経っていた。
高速を降りてかつて走り慣れた国道158号線を西に走ると何故か都心並みに安いセルフ式ガソリンスタンドを通り沿いの下新地区で見つけたので13:30給油停車する。8月に入ってからどこもレギュラーで1Lが¥180を超えているなか、ここは格段に安かった。思わず値段も画像に収めておいた…。
5分ほどで再出発。車に給油したら今度は自分達も食事の時間だ。友人Fが以前から未訪で気になっていたそば屋が近くにあるので行くことにした。案内されつつ向かった先は新村交差点すぐ近くのそば処サカエで、13:38到着して食事をする。
この場所は過去に何度も通っていた場所だが3人とも利用したことが全く無く、この地を去ってから初めて利用することになった。
新村交差点脇にあるそば処サカエ

メニューもこの辺りのそば屋と似た一般的な品ぞろえで、ざるそば(3枚)とビールと皆で山賊焼とモツ煮を頼んだ。待つこと数分で次々と来て一杯やりながら食べていくが、腹が多少減っての注文だったので頼み過ぎた感じも…、量があって満腹になってしまった。そばは割と白い感じで、手打ちらしく不揃いの麺が手作り感があって逆に好ましい。

      まずは生ビールともつ煮で…       後から山賊焼(唐揚げ)とざるそば大盛(3枚)

30分ほどの滞在で14:15に店を出た。この松本の地に7~8年通ったが1回も訪れたことが無かったのが残念だった。電車や車でも何度も通ったのに…。遅すぎる感もあるが、これから松本に来る際は気にしておきたい店だった…。

そば処 サカエ…長野県松本市大字新村535-2 (営業時間 11:00~20:30・木曜定休)

食後、車をそのまま停めてすぐ近くの松本電鉄新村駅に行ってみた。懐かしい5000系電車が1編成色ハゲしつつも残っていて、反対側はイベントに使用するのか塗り直し作業が進行中だった。新村駅も味のある駅舎は健在だった。ちょうど上下列車が同時に進入してきたが数名の乗降しか無かった…。
松本電鉄3000系が到着

列車が過ぎ去るといつも通り静かな駅の佇まいになった。そんな駅舎も見物してみると、何度か訪れているがまるで時代が止まったかのような昭和の香りがプンプンしている。看板類を変えればすぐにでも昭和時代設定の映画が撮れそうだ。
相変わらずの佇まいの新村駅舎(拡大します)出札口・待合室も変わらない(拡大します)
              開業当初からありそうな新村駅舎と内部の様子

駅舎から車庫のほうへ回るとかつて使用していた(元 東急)5000系車両が留置されていた。最近の車両に入れ替わってすでに数年が経つが、未だに車庫の隅でボロボロになりながらも鎮座していた。何かお盆休みに車庫でイベントをやるようでこの電車の松本方だけ手作業で塗替作業が行われていた。再びピカピカに仕上がるのか楽しみだ…。駅横の信号所の入口に日本一古い電車の案内(デ968→ハニフ1)があったが、実物は去年鉄道博物館に譲渡したので現物は無くなったが看板のみ残されている。間違っても5000系が最古の車両ではないのでお間違いなく。
ボロボロだが塗り直し予定とか…(拡大します)
自分がお世話になっていた松電(東急)5000系 信号所脇に表記があるが実車は鉄道博物館に

車庫外周と駅舎を見物して20分ほどで車に戻る。出発してすぐ新村交差点角のローソンにて翌朝の朝食を仕入れておく。今夜は乗鞍高原宿泊の食事無しプランにしたので、朝食を食べる場所が無いのを知ってて前もっての購入だが、この辺りは皆ガイドを出来るくらいに土地勘があるから用意周到に対応出来る。
軽く買い物して新村を14:40に出発した。夏の観光シーズンで通常より交通量の多い国道158号線を西方向へ進み、15分ほど走って徐々に松本盆地が狭まった山間部の入口辺りに新島々駅が見えてきて14:55に早くも休憩停車した。
2002年7月改築の新駅舎(拡大します)自動券売機のみ昔のままの窓口付近(拡大します)
            数年前に建て直された新島々駅舎と改札口付近の様子

ここも今回の目的地の一つで、かつて10年以上前からここで3人とも住込みのアルバイトをしていた。春~秋はこの新島々で、冬は白馬の営業所にて勤務した思い出の地でもある。駅舎は数年前に建て替えられたがバス車庫やバイト寮などはそのままで、寮を覗くと自分が住んでいた時の掲示物で自分が貼ったものがまだ残っていたのが奇跡的だった…。
しばらくウロついているとかつての運転士の方が気付いて来てくれて少し話をしたり、それほど大きくは変わらないかつての生活拠点を懐かしく見て廻った。
確か1992年に開設された観光案内所(拡大します)
かつて隣駅島々駅は向かいで観光案内所に…    すいか切り売り(¥100)を食べる…

新島々駅の向かいにかつての隣駅で終点だった島々駅舎が復元されて波田町の観光案内所に利用されている。この建物も自分達が住んでいた頃に復元されたのでもう10年以上経っているので、復元されたとは言えかなり風格が出てきた。ここは当初から観光案内所兼農産物販売所になっているので、さっそく冷蔵庫に入っていた切り売りのスイカを購入。波田町は下原すいかの名産地で、毎度のことながら甘くて格段に美味しかった。
そろそろ次へ進まないと日が暮れてしまうので、40分ほどの滞在で新島々駅を15:35に出発して国道158号線をさらに奥へ進む。ここから少し進むと梓川を渡って再び松本市に入ってしまう。昔は上高地や乗鞍などの観光地を抱えた安曇村だったが、近年の町村合併で松本市になってしまった。何となくまだ違和感を感じつつ相変わらず狭い山道国道を進んでいく…。

 沢渡上バス停にマイカーを停めてバスを待つ  10年前より安く使い勝手の良い往復乗車券

この国道158号線は我らの仕事場みたいな場所だったので皆、目をつぶっていてもどこを走っているのか分かるぐらいだが、ここを去ってから10年の間に道路のあちこちを補修したり橋を架けて道がショートカットされていたりと少しずつ路面状況が良くなっていた。ただ、奈川渡付近からのトンネルに関しては相変わらずの狭さだった…。
景色を見ながら走ってきたので、バスと同じ所要時間の40分かけて上高地マイカー規制での乗換え拠点の沢渡に16:15到着。素知らぬ顔でバス会社系の駐車場に停めて駐車券と往復バス乗車券を購入するが、どうしても現場社員の人に「おやっ?」と他人のふりが出来ずにバレてしまう。同行の3人ともここでバイトをしていた身分なので、名前は忘れられても雰囲気で気付かれてしまう。

    乗車した上高地行き臨時バス最終便の車内と大正池に到着した同松本電鉄バス

何台かまとまって下り方面のバスが行ってから数分して、車通りの少ない国道158号線を1台のバスが上がって来て乗車し…、[バス]沢渡大橋始発上高地行きマイカー規制対応シャトルバスの松本電鉄バスは沢渡上を16:27発車した。
既に夕刻迫る時間帯なので乗っている乗客は僅かで、車窓や現地でも時間はあまり無いが静かに見物出来そうだ。先ほどのバス停での現場無線のやりとりを聞いていて、このバスが上高地への臨時シャトルバスの本日最終便だと聞こえたので、帰りは時刻表通りの定期便乗ることになりそうだ。沢渡で既に標高は1000mを越えているので幾分涼しいはずだが、冷房車のためエアコンを使用されているので自然の涼しさを体感出来ない。昔はイヤでも非冷房車だけなので窓全開でこの国道をエンジンフル回転で疾走していたのが懐かしい…。
雲で頂上見えず…(拡大します)
   車中より見えた焼岳(標高2,455m)          大正池より穂高連峰を眺める

上高地の入口にあたる中の湯交差点に16:38に到着し、T字路の交差点で赤信号のため一旦停車。昔はこの先の釜トンネルが狭いので約1km区間が信号による交互通行を行っていたが、今や対面通行可能な新釜トンネルが2005年7月に完成したので、以前は交互通行のための信号待ちで15分近く待たされることもあったのに、現在は交差点としての信号待ちで1分前後待たされるだけになってしまった。信号はすぐに青になり、トンネル内を上高地から下ってくるバス・タクシーがあるのにこちらも発車して釜トンネルに進んだ…。
以前の岩盤むき出しでバスの天井を擦るくらいに激狭トンネルは至って普通の坂道トンネルに代わり、実に呆気なく上高地公園内に入ってしまった。上高地内の道路は所々で補修されつつも当時と全く変わらず、昔は自分達バイト車掌が観光ガイドにマイクで案内した焼岳や大正池も案内テープに取って代わって、沢渡上から19分の乗車にて大正池に16:46到着して下車した。
2005年に改装したバスターミナル(拡大します)
       昔の面影も残る改装した上高地バスターミナルの様子と出札窓口の様子

大正池から上高地バスターミナルまでの遊歩道を歩くように昔はよくガイドしていたが、過去に何度も歩いているので、一旦下車して大正池の向こうに聳える穂高連峰をしばし眺めてから後続の定期バスに17:10乗車して6分ほど乗った終点、上高地バスターミナルにて17:16下車した。
イラスト風から写実的散策図に…(拡大します)昔よりだいぶ見やすくなった上高地散策図

昔の往復乗車券だとケチくさいことに行きの大正池で降りた後は帰り分しか使えなかったが、いつの間にやら¥200も安くなった上に上高地公園内なら途中乗降も可能になっていた。年々上高地への観光客が減少する中で少しでも利用者に優しい施策で接客向上を図っているようで安心した。
上高地お決まりの写真だが雲で…(拡大します)1997年に架替えた5代目の河童橋(拡大します)
                    観光客も少ない河童橋の様子

マイカー規制でかつ観光客も殆ど帰ってしまった夕方なので、バスターミナル前の駐車場は空いていて静かなものだ。とりあえず、この上高地に来れば定番になる河童橋へ歩いて向かった。さすがに大半の観光客は帰ってしまったようで人も少なく、ゆっくり見たり撮影するには最適だが、なにぶんにも天気が悪くて穂高連峰が見えないのが残念だ。それでも自分達はそれ以前に何百・何千回と穂高を眺めてバイトしていたのでしっかり脳裏に景色が焼き付いているが…。
新しいほうが間口がデカい(拡大します)
     帰路のバスを中の湯にて下車       以前の釜トンネル(左)と新釜トンネル(右)

その後は適当に河童橋周辺の売店などを眺めてからバスターミナルに17:55頃戻ると、新島々行き定期バスの乗車改札を行っていた。先に新島々・松本方面へ下る乗客を乗車整理券順に乗せた後に手前の沢渡地区へ帰る人を乗せるのは昔から変わっていない。沢渡行き臨時バスが無い夕方の時間帯はあくまでも長距離利用が整理券で優先される山岳路線仕様の乗車方法だ。
ひとところ乗車も落ち着いて時間が来て…、[バス]上高地18:05発新島々バスターミナル行き松本電鉄バスは発車した。
釜トンネルの歴史は上高地の歴史(拡大します)
 旧釜トンネル脇にトンネルの案内板がある    旧トンネル(510.6m)より長くなった新トンネル

バスは元来た相変わらずに狭い県道上高地公園線内をゆっくり走って、上高地のかつての難所の釜トンネルまで来る。かつてはこのトンネルの入口で交互通行の信号待ちをしていたが、現在はそのままトンネルに入ってあっという間に国道158号線と接する中の湯に18:20到着して下車した。
この奥にトンネル入口とかつては交互信号があった…(拡大します)実に普通なトンネル…(拡大します)
    昔のままの旧トンネル入口付近        普通のトンネルに成り下がった新トンネル

この先は自家用車を沢渡まで取りに戻ってからここ中の湯より安房峠を目指す予定で、友人Mに車を取りにそのままバスに乗って行ってもらい、自分と友人Fはこの中の湯で降りて付近の散策をして待つことにした。
この中の湯は何も無い所で、国道158号線と県道上高地公園線が接するT字路のすぐ横には上高地からの高低差で荒々しい梓川の急流が傍を流れ、車が通らなくなると渓流の川音しかしない実に静かな場所だ。かつてはこの中の湯でバイト車掌の乗換えを頻繁に行っていたために、ここにも何千回と乗り降りをして待機・佇んだ場所で思い入れがある。時間がある時は橋の袂にある中の湯温泉旅館の離れ湯卜伝の湯があって、釜トンネル脇にある旅館売店に断って入浴したり、トンネルの上の沢に上がって湧水を飲んだり、旧トンネル手前のロックシェット上で寝てみたりと、人生のうち何日分かの時間をここでも過ごしていた。
静寂を破って1台の車が疾走…(拡大します)
        中の湯交差点全景                友人Mの車が沢渡より到着

中の湯交差点付近を友人Fとあちこち昔を思い出しながら散策して、15分ぐらい経ったので友人Mが沢渡へ車を取りに行ってそろそろ戻って来る頃だろうと、待ち合わせの平湯温泉方面の中の湯バス停で待つと、程なくして車の全く通らない国道158号線を1台の乗用車が上がって来た。この辺りの道は何百回と走っているので、時間の読みはバッチリで衰えていなかった。18:38に再び3人揃って国道158号線を岐阜県方面へ走り出した…。
天気が良ければ前後に穂高・乗鞍が…(拡大します)
    安房峠頂上にて(後方は穂高連峰)   峠の茶屋は以前に休業(後方は安房トンネル換気塔)

国道158号線は中の湯から平湯方面へ走り出すとそのまま安房トンネルに吸い込まれてしまう道路形態になっているが、以前はトンネル直前右側のへの道が安房峠の平湯温泉までのルートだった。
この安房峠は長野県側に11ヶ所(数字の付番されたカーブは15か所)・岐阜県側に3ヶ所のUターンするくらいのキツいヘアピンカーブが続きつつも、バス1台分しか通れないような狭い道路が続く難所の一つで、この安房峠釜トンネルがあったお陰で我々がこの地でお互いバイトをして知り合ったようなものだ。夏の最盛期の交通量が増えるこの安房峠で、定期路線バスのバイト車掌として渋滞したこの峠を1分1秒でも早くバスを目的地に進めるために、渋滞した道の対向車を停めてバスを誘導したり、バスを路肩に寄せるために左方確認・バック確認をしたりと、道路がビッチリ詰まってどうにもならないような状態でバスをグイグイ進めるほど、終点に着いた時の乗客からの拍手喝采が大きいことも印象に残っていた。
そんな安房峠も安房トンネルが完成した今、盛夏の夕暮れ時に走っても対向車はポツポツとあるだけの静かな道になってしまった…。
乗鞍の四ッ岳が見えるはずが…(拡大します)松本市と高山市が接する県境(前方は乗鞍岳)

対向車にもう大型バスやトラックなどは来ないので安心して峠を走って15分弱で安房峠頂上に達すして、ここでも久々に停車してみた。バス運行時も時間があれば下車休憩などもしたことのある場所で、かつては峠の茶屋が営業していたが今は廃墟のみ残っている。天気が良ければ岐阜県側には乗鞍岳の四ッ岳、長野県側には穂高連峰を同時に拝むことが出来るが、やはり時間が経っても雲に隠れたままだった…。
開いてて良かった「つるや商店」(拡大します)
         平湯温泉にてはんたい玉子を購入(黄身が固まり白身が柔かい)

3分ほど停車して18:55に再出発して岐阜県側を下っていく。なるべく陽の出ている間にに思い出の場所を見て回りたくてかなり詰め込み気味の行程だが、ギリギリ外の景色が見えるうちに平湯温泉バスターミナルに19:10到着した。
路線バスだと安房峠越えは45~50分だが、役目を終えて交通量の少ない峠道を自家用車では30分で抜けてしまった。平湯温泉まで来れば今日の松本~上高地~平湯温泉と巡ってきた回想行も本日は終わりにする。このまま平湯温泉に泊まれれば最高なのだが、明日の予定も考慮して本日の宿泊は乗鞍高原のペンションを予約している。これから再びUターンして長野県方面に戻らなければならないが、その前に平湯温泉へ路線バスで乗務すると、空き時間によく買っていた名物の温泉玉子(1個¥50)を購入する。熱湯までいかない温泉熱でゆっくり玉子を茹でると、白身が固まる前に黄身が先に固まるのではんたい(反対)玉子などと呼ばれている。バスターミナルから温泉街を少し北に行ったつるや商店が幸いにも開いていて思わず購入。この先にコンビニなども無いので、ここで宿での酒とつまみを買い込んで、平湯温泉を19:18に出発した。
帰りは安房トンネルを利用

あとは宿に入るために真っ暗な山道国道を突っ走ることにした。とりあえず思い出に浸る走りは止めにして、さっさと長野県側に戻るために帰りは安房トンネル(安房峠道路)を走って戻る。普通車通行料¥750を無人の料金機に投げ込んで、夏の最盛期とは思えないほど空いた道路を走れば、峠で30分かかっていた区間を僅か3分(19:20~19:23)で抜けてしまった…。
 再び中の湯まで戻ってからは街灯りの殆ど無い国道158号線を松本方面に下っていく。沢渡地区を過ぎて前川渡で国道から離れ、県道乗鞍岳線へ19:37に進路を変える。再び乗鞍高原への真っ暗な上り坂を走ると乗鞍高原鈴蘭地区に入り、平湯温泉から35分ほどで今夜の宿のペンション オレンジ・ペコに19:52到着した。
夜の乗鞍高原のペンションに到着

今回の宿は遅く入ることも考慮して食事なしの素泊まりプランで友人Mが予約した。なるべく安く泊まりたいとの思惑もあったが、この辺りの旧安曇村や平湯付近の周辺情報は下手な地元人よりも知っているので、食事くらいは何とかなると踏んでの利用だった。しかし、この食事なしがこの後に裏目に出てしまうのだった…。
通された部屋は2階の3ベッド室。明日も早いから寝るだけで十分なので申し分なく、エアコンも無いが大丈夫。何しろ乗鞍高原は標高1,500mもあるので涼しく快適で、この時期の首都圏など夜はエアコンなしでは寝られないほど暑いはずだが、ここは開いている窓が寒いくらいで夜中には閉めたほどだ。
   
             利用した3人部屋の様子(208号室)とユニットバス

荷物を置いて落ち着いて、これから夕食を食べに出かける予定だったが、ここへ到着する前に思わぬ問題が発生した。夕食に予定していた県道筋のラーメン屋が臨時休業をしていて、ペンションに着く前にその店の前を通過した時に店が閉まっていたので焦燥感が増していた。乗鞍高原では夜遅くまで開いている店が少ないのは自分達も知っているが、何とかペンションの裏情報でもあればとダメ元で聞いてみたら、ペンションのご主人が別の場所でやっている飲食店を紹介してくれたのだった。それもわざわざ連絡してくれて閉店しかけたところを用意してもらって…。
店はペンションをさらに県道から奥まった場所に進んだ一ノ瀬牧場近くの一ノ瀬第一食堂(座望庵)で、車で2~3分進んだ場所にあった。
周りは真っ暗の店舗外観(拡大します)突然利用したのにたくさん用意してくれた夕食(拡大します)
           宿の主人が営業する「座望庵」にてジンギスカンの夕食を頂く

街灯も月明かりも無く、車のヘッドライトを消すと一寸先も見えなくなるような駐車場に車を停めて、ポツンと見える店の明かりを頼りに20:05に店に入ると、予め電話連絡を受けていた店のご主人が恐らく仕舞いかけていただろう食材を出してくれ、お勧めだというジンギスカンを用意してくれた。
最初はジンギスカン3人前と飲み物だけを頼んで頂いたが、次から次へといろいろと出してくれて、多少腹を満たすどころか満腹・満足な夕飯を頂いて感謝しきりだった。しかも食事代は宿代に後で乗せておくと、ここでの支払いは一切無いまま1時間少々の滞在にてペンションに21:15戻った。
       
   ペンションの離れの貸切温泉に入浴          部屋に戻って一杯やった

食後、このペンション自慢の屋外貸切風呂に入った。建物から見晴らしの良い崖寄りに小さな建物を造った風呂で、周りが真っ暗なので景色が見えないのは明朝利用時に期待したい。貸切風呂と言っても、後で聞いたら今夜の宿泊客は自分達1組だけだったそうで、ペンション自体を貸し切っているようなものだった。乗鞍高原温泉は山向こうの白骨温泉と同じ白く濁った硫化水素泉で、香りは硫黄臭いが温泉に入ったという実感を湧かせるいい温泉だ。30分ほど入って夕涼みをすれば寒いくらいで、22:00には部屋に入って一人でさらに一杯やって23:30に就寝した。
明日は乗鞍山頂を目指してから帰路に向かう予定だ。


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